タコとイカをめぐる冒険

タコには脳が9個、心臓が3つあるという話を誰かから聞いて、マジかよ、と思った。



しかし、改めて考えてみると、我々(と勝手に範囲を広げてみたけれど、主に私)は、タコについてほとんど何も知らない。ついでに言えば、同じような生物であるイカのことも、ほとんど何も知らない。

いや、知らなくても生きていけるし・・・と思った半面、これは何かのメッセージなのではないか!?と天啓のようにひらめき(または、溜まった仕事からの逃避がしたいがために)、ちょっくら調べてみることにした。

私がタコとイカについて知っていること



改めて考えると、タコとイカは謎が多い生物である。だいたい、私たちが「タコ焼き」と主に呼ぶものは、小麦粉をだし汁や卵などで溶いた生地の中にタコ肉が入った、球体の食物を指す。

でも、「イカ焼き」と言った場合はイカの足(または丸ごと)に醤油を付けて、そのまま焼いたものを指す場合と、やはり小麦粉を溶いた生地にイカを入れて、平べったく焼いたものを指す場合とがある(こちらは、主に関西で観測される)。

しかし、タコの足(または丸ごと)に醤油をつけて焼いたものを「タコ焼き」と呼んで提供されたことは、少なくとも私は今までのところない。もう、この時点で謎が深まっている。

タコは足が8本、イカは10本ということも知っている。では、イカの2本多いのはどういうことなのか?謎は深まるばかりである。

似てるようでちょっとずつ違う、タコとイカ



今回調べてみて、どうもタコとイカは、こちらから見ると割と近い生物のように見えるけれど、細々と異なる点があることが分かってきた。

まず、イカには「骨」あるいは「ペン」などと呼ばれる硬い部位が存在するが、タコにはない。ちなみに、このイカの骨は、従来殻があった頃の名残だそうで、進化の過程で殻を筋肉(我々がよく食べる、胴体とか身とか呼んでるところ)で包み込んだのだそうだ。そう考えると、ちょっとコワい。


イカは10本足があるが、うち2本は「触腕」と呼ばれ、先端の吸盤がより発達していて、長いのだそうだ。ぜひ、イカを調理する機会があったら確認してみてほしい。たぶん、2本だけ他より長い足(なのか腕なのか)があるはずだ。その際、ホタルイカだと調べにくいので、できればもう少し大きめのイカを推奨したい(何の話だ)。

そして、タコとイカで大きく異なるのが生活環境である。イカは遊泳能力に優れ、海中を自由に泳ぎ回ることが出来る。一方のタコはどうか。実は、タコは主に海底に住んでいて、這い回る生活を送っているのだそうだ。だから、タコツボに入ったりするのかもしれない。

イカとタコは双方とも肉食。タコは「オクトパシン」という弱い毒性のある墨を吐き、獲物をしびれさせて捕獲するらしい。一方、イカの墨にはそういう機能はない。では、なぜイカは墨を吐くかというと、敵がやってきたときに薄い墨を吐く。そして、イカの分身がいくつもできたように見せる。そして、その隙に逃げるという手段を採るのだそうな。

どうだろうか。友だちに寿司屋で「タコとイカのどっちが好き?」と問われた際は、こんなことまで思いを馳せつつ答えてみてはいかがだろう。

つうか、そこまで聞いてないよ、という顔をされる可能性は否定できないけれど。


ちなみに、タコには記憶力や学習能力があるらしい。だから、水族館に「予言ができるタコ」がいるというニュースが時々流れるけれど、「予言ができるイカ」が登場しないのは、あながちおかしな話ではないのかもしれない。

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